■身近な磁気
私達の身近には、磁気を利用した製品が多く普及しています。電気と磁気の切っても切れない関係は、現代の科学技術に広く利用されてきています。
そしてご存知の通り、地球自体も磁気を帯びた大きな永久磁石であり、この磁気が宇宙から降り注ぐ有害な放射線(宇宙線)から私達を守ってくれています。また、地磁気があることで地球の大気が太陽嵐に奪われず、生命が住める環境要因のひとつとしての役割を果たしているのです。

地球は磁場に覆われた大きな磁石
■生命と磁気
渡り鳥は、地球の磁場を細胞レベルで感じとり目的地へ正確にたどり着くことができます。鳥類にとって地磁気は、長い距離を正確に移動するための大切なガイドです。
人間の体内にも磁気を感じとる器官があり、脳の中央付近にある内分泌器、松果体が地磁気の変化や光を敏感に感じ取り一日の体内リズムの調節を行っています。

松果体は地球磁気を感じ体内時計を調整する
■地磁気の影響
地磁気は常に一定ではなく、絶え間なく変化しています。数年から数千年のスケールで変動していて、今の時期は減少傾向にあります。ここ100年で約6%も弱くなっていて、さらに2000年後にはほぼゼロになってしまう推移です。ただ、これぐらいの変動は過去に珍しくなく地磁気が逆転していたこともあり、こういった変化が気候の乱れを引き起こし、また生物進化に多大な影響を与えていたのではないかと考えられています。

■磁気不足という現代病
鉄筋コンクリートの建物・電車・車など磁気を吸収しやすい鉄に囲まれた現代社会では非常に磁気の影響を受けにくくなっています。これにより体内の生活リズムが狂いやすく、眠りが浅くなったり過度なストレス状態が慢性的に続いて常に疲れが溜まっているような状態に陥りやすくなってしまいます。磁気研究の権威であられた故中川恭一博士は「磁気欠乏症候群」という現代病の存在を指摘していました。原因は分からないけれど身体がだるい、イライラする、寝ても疲れが取れないなどの症状がいつの間にか表れていたりすることは誰にも経験があるのではないでしょうか。
